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高濃度オゾンガスによるウイルス・菌対策に期待できる除菌効果


環境問題などでよく耳にする「オゾン」。そんなオゾンガスがウイルスや菌の除菌対策に効果的ということは、ご存知でしょうか?特に高濃度オゾンガスは、ウイルスや菌の増殖を抑えたり、嫌なニオイを脱臭したりできるといわれています。
 
今回は高濃度オゾンガスに期待できる効果や、活用する上での危険性などもあわせてご紹介いたします。
 

オゾンガスとは

オゾンとは青臭い特徴的な香りのする、目には見えない気体のこと。結合力の弱い酸素原子が3つ集まってできているため、強い酸化力を持ちます。
 
空気中には約0.005ppmのオゾンガスが存在していますが、この程度の濃度ではニオイを感じ取ることはできません。
 

オゾンガスに期待できる効果

オゾンガスには、「脱臭」「除菌」「脱色」の3つの効果が期待できるといわれています。
 

脱臭

オゾンは酸化力が強い気体なので、ニオイの物質を酸化分解し無臭化することができます。
例えば、体臭や口臭、ペットの匂いなどの「人・動物のニオイ」、ニンニクをはじめとする「食品のニオイ」、ゴミやタバコ、排水口などの「生活のニオイ」はオゾンが反応しやすいといわれています。
オゾンはニオイの成分に反応して無臭化するため、成分によっては脱臭がしにくい場合もあります。
 

除菌

オゾンから生まれる酸素原子が細菌やウイルスの一部を酸化分解して内部に入り、菌の繁殖を抑えることで除菌ができます。また、毒性物質を作り出さないことも特徴です。
 

脱色

インクで色のついた水にオゾンガスを入れると、時間経過とともに透明になります。オゾンガスの脱色・脱臭の効果を使って水質浄化なども行うことができるのです。
 
脱色も成分に反応して透明化するため、脱色するものによってメカニズムは変わってきます。
インクで色のついた水を脱色する場合、インクの持っている不飽和結合がオゾンによって酸化し分解されることで脱色されます。
 

オゾンガスによる除菌のメカニズム


ここからはオゾンガスによる除菌のメカニズムについて、詳しくご紹介します。仕組みを理解するためにも、まずはウイルスと菌の違いについて整理していきましょう。
 

ウイルスと菌の違いを整理

ウイルスとは

ウイルスとはタンパク質の殻の中に遺伝子を持った微生物。菌とは違い、栄養を摂取して代謝行動をするなどの生命活動は行いません。
また自ら増殖する能力がないため、他の生物を宿主にすることで増殖します。つまりウイルスは、他の個体へ感染し続けることで生き残れるのです。
 

菌とは

菌とはひとつの細胞を持つ単細胞生物で、代謝をします。また、水や栄養をもとに自身で増殖することが可能です。
 

オゾンガスのウイルスへの効果

オゾンガスは、ウイルスのタンパク質の殻を酸化分解させることができます。さらにウイルスの内部へと入ったオゾンが、ウイルスを構成する核酸と反応することではたらきを抑制することができます。
ウイルスは自ら増殖することができないため、一度除去されると増えることはありません。
 

オゾンガスの菌への効果

オゾンによる除菌は「溶菌」といわれています。ここではその溶菌のメカニズムについて、解説していきます。
 
オゾンガスは、菌を構成する細胞の細胞膜や細胞壁を構造的に破壊することが可能。菌を破壊するのに余ったオゾンは、死んだ菌をさらに破壊し続けて遺伝子をも壊していきます。
菌は自己増殖をすることができますが、上記の理由によりオゾンに耐性を持つ菌が出現しにくいといわれています。
 

オゾンガスの効果を得にくいもの

オゾンガスはウイルスや菌だけでなく、花粉の除去や防カビなども期待できます。しかし脱臭に関しては、有機物由来ではない化学物質由来のニオイは酸素原子が反応しにくいため、効果を得にくいといわれています。
 
化学物質由来のニオイの例としてはインクや塗料のニオイ、ガソリンやシンナー、殺虫剤、せっけんの匂いがあげられます。
 

オゾンガスによるウイルス・菌の除去は可能?

ウイルスや菌の除菌のメカニズムをご紹介しましたが、オゾン自体は目に見えず、液体や粉末のように量を計ることはできません。どの程度の濃度でオゾンの効果が得られるようになるのか分からないのでは、と考える方もいらっしゃることでしょう。
 
オゾンのはたらきを目にみえるように数値化したものが「CT値」です。この数値を参考にオゾンガスを使用すれば、ウイルスや菌を除去することが可能です。
 

CT値とは

CT値とは、オゾンなどの物質がウイルスや菌のはたらきを抑制する力を表すときの指標です。この指標は国際概念で、オゾン濃度(ppm)とその物質がオゾンにさらされる時間(分)から計算されます。
 
計算式は以下の通りです。
 
オゾン濃度(ppm)× 燻蒸時間(分)=CT値
 
オゾンは無色で不安定な気体のため、このように数値で可視化します。一般的な「人・動物のニオイ」、「食品のニオイ」、「生活のニオイ」は、CT値60以下で脱臭することが可能。また身近なウイルスや菌の多くは、CT値60前後で除菌することが可能とされています。
 

高濃度オゾンガスとは

通常、私たちが生活している環境では空気中に0.005ppm程度のオゾンガスが存在しており、人体に害のないとされる許容濃度が0.1ppmです。
 
0.1ppm以上の高濃度オゾンガスは通常濃度のオゾンガスに比べて、どのような効果を得られるのでしょうか。
 

高濃度オゾンガスの効果

 

高濃度オゾンガスの特徴は、高い除菌効果を期待できるということ。 
オゾンの除菌効果の指標であるCT値は、オゾンの濃度と処理時間を掛け算したもので評価されます。
このとき同じ処理時間だった場合、オゾン濃度が高くなればCT値も高くなります。よって低濃度のオゾンガスよりも、高濃度のオゾンガスの方が短時間でウイルスや菌を除菌してくれるのです。
 

高濃度オゾンガスの注意点

高濃度オゾンガスは高い効果を期待できますが、濃度が高ければ高いほど人体へ悪い影響もあることが確認されています。
 
そのため、日本産業衛生学会では許容濃度を0.1ppmと定めています。事故などを未然に防ぐためにも高濃度オゾンガスの危険性についても学んでいきましょう。
 

ニオイ

オゾンの濃度が0.01~0.02ppmになるとオゾン特有のニオイを感じることができます。
 

人体への影響

さらに濃度が上がり0.1ppm以上になると、鼻や喉への刺激を感じるようになります。0.2~0.5ppmでは視力の低下、さらに濃度が上がると気道に刺激を感じたり、頭痛を引き起こしたりします。
50ppm以上になると、生命の危険が起こるとされています。
 

モノの腐食

オゾンは酸化力の強い気体なので、鉄や天然ゴムなどの劣化速度が速くなり、腐食が発生して穴が空いてしまうことがあります。
 

使用環境

オゾンガスによる人体への影響を鑑みて、基本的には無人環境下で使用することが推奨されています。さらに人だけでなく、動物や植物にも影響が出るため、人・ペット・植物のない環境で使用してください。
 
有人環境下で使用する場合は、許容濃度とされている0.1ppm以下になるように管理する必要があります。ただし0.1ppm以下では除菌や脱臭などの効果は薄く、さらに閉め切った空間が原因で高濃度になってしまうこともあるので注意が必要です。
 
また、接触時間は長時間限度で0.1ppmが1日8時間まで、短時間限度で0.3ppmが1日15分までとされているので、こちらも守るようにしましょう。
 

まとめ

今回はオゾンガスについてご紹介しました。オゾンガスとは、目には見えませんが、独特のニオイを持つ気体です。
 
オゾンガスの強い酸化作用が、ウイルスや菌を分解・破壊することで除菌をしたり、菌の増殖を抑えたりすることができます。さらに、脱臭や脱色も期待できるということもわかりました。
高濃度オゾンガスは危険な一面もありますが、正しい使い方をすれば短時間で高い効果を得ることができるのです。
 
衛生面が気になる昨今。ぜひオゾンガスについて正しく理解し、活用していきましょう。